強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
この人、なんで私の名前を知ってるの? ストーカー? それとも変質者? 美形なのに残念な人……。
 
もう終わりだと諦めかけた、その時。またもやエレベーターが到着した音が聞こえ、今度こそ八雲さんだと確信する。
 
でも、ちょっと待って。今ここに八雲さんが来てこの美形変質者と対峙したら、八雲さんが危ない。
 
どうしよう、どうしたらいい? なんて意味もなく考えている間に、八雲さんの靴の音が聞こえ彼が姿を現す。
 
一巻の終わり、万事休す──。
 
身体がズルズルと床へ崩れ落ち、もうおしまいと固く目を閉じた。

「おう、天袮。早かったな……って芳奈! どうした?」
 
へ? 天袮って誰? この美形変質者はもしかして、八雲さんの知り合い?
 
目を開けようとした瞬間、私の身体がふわりと宙に浮く。今度こそ大きく目を開けると、何故か目線が高くなっていて、怖くなって目の前にあるものにギュッと抱きついた。


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