強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
「お、おい、芳奈。抱きつかれるのは嬉しいけど、ちょっと苦しい」

「え? あっ! あ、あれ? 八雲、さん?」
 
なんでどうして、八雲さんにお姫様抱っこされているの? 怖かったと言え自分から抱きつくとか、何考えてるのよ私。

八雲さんの腕から逃れようとする身体が、キツく抱きしめられる。

「おまえは俺以外の男に、こうやって抱きつくのか? そうか、わかった。そんなけしからんヤツには、お仕置きが必要だよな?」

「お、お仕置き? それは必要ないかと……」
 
今抱きついたのは不可抗力。事故みたいなもので、そんな目くじら立てて起こることじゃないような気がするのは私だけ?
 
八雲さんの目が妖しく光り、嫌な予感がしてゴクリとつばを飲む。ゆっくり顔が近づいてきて、目を閉じる間もなく唇が重なった。
 
やっぱり。これがお仕置きなんだろうか──。

甘いキスに侵されてゆっくり閉じようとした目の縁に、美形変質者さんの姿が映りぱっちり目を開く。
 
そうだ、今はふたりっきりじゃないんだった!

「ちょっと、そこのおふたり。俺がいること忘れてるでしょ」


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