強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
午前十時。
朝から暑いくらい良い天気で、否応なしにヤル気が漲る。でもやりすぎ注意、空回りしないように気持ちを抑えつつ、八雲さんと一緒に煌月さんのところへ向かう。
『ショコラティエ煌月』の前に立ち深呼吸すると、気持ちを集中させる。睡眠もバッチリ……と言いたいところだが、八雲さんと同じベッドでの就寝は思うようにいかず少々寝不足気味。と言っても何かあったわけでもなく、ただ寄り添って眠っただけ。
それでも男性と一緒に寝るなんて父親以外初めてのことで、心がざわつきすぐに眠ることができなかった。
つい、大きなあくびが出てしまう。
「何、寝不足?」
私の様子をうかがっては、朝から意地悪を言う八雲さんをスルー。もう一度深く息をして姿勢を正すと、店の中へと入っていった。すぐに煌月さんの姿を見つけ、彼のところに行く。
「おはようございます、煌月さん」
「はい。梅岡さん、おはようございます。ああ、八雲もおはよう」
「おはよう。俺はなんだ、おまけみたいだな」
昨日とは打って変わって和やかなムードが流れ、緊張していた身体が少しだけ緩む。