強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
だったら自分で決めるしかないと、八雲さんからメールが来たその日から鏡の前でひとりファッションショーを開催。

これでもないあれでもないと二日間考えに考え抜いて、淡い黄色のカットソーに水色のギンガムチェックのロングスカート、靴は真っ白のスニカーをチョイス。初夏らしいガーリースタイルに決めてみた。

理由はどうであれ私にとって今日は大切な一日で、否応なしに力が入ってしまうのは仕方のないこと。八雲さんが相手でも可愛い自分でありたいと思うのは、女心というものだ。

父と母になんと言って出かけようか悩んでいたけれど、タイミングよく朝からふたり一緒に出かけていて第一関門突破。

こんなことなら父と顔を合わせたら厄介だと、家まで迎えに行くと言ってくれた八雲さんの申し出を断らなければよかった……なんて。

誰もいない家に「行ってきます」と声をかけると、足取りも軽く最寄りの駅まで歩いて向かった。


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