強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
八雲さんとの待ち合わせは、午後一時。駅のロータリーで待ってろと言われている。
スマホで時間を確認すると、思っていたよりゆっくり歩いていたのか一時まであと五分。もう少し早くつくつもりで家を出たというのに、とんだ計算ミス。
小走りにロータリーに向かうと、見覚えのある黒のスポーティーなセダンが目に入る。一度立ち止まって呼吸を整えようとしたら、突如今まで落ち着いていた心臓が早鐘を打ちはじめた。
一瞬で緊張はマックスまで達し、手が小刻みに震えだす。
どうしよう。すぐそこに八雲さんの車があるというのに、足がすくんで動けない。
しばらく立ったままじっとしていると、そんな私の様子に気づいたのか八雲さんが車から下りてきて心配そうな顔で近づいてきた。
「芳奈?」
私の名前を呼び腕を伸ばす。首元にするりと手を滑り込ませたと思ったら、そのまま身体を引き寄せられて八雲さんとの距離がぐっと縮まった。
「どうした? 顔色が悪いな」
「す、すみません。なんか急に緊張してしまって……」
スマホで時間を確認すると、思っていたよりゆっくり歩いていたのか一時まであと五分。もう少し早くつくつもりで家を出たというのに、とんだ計算ミス。
小走りにロータリーに向かうと、見覚えのある黒のスポーティーなセダンが目に入る。一度立ち止まって呼吸を整えようとしたら、突如今まで落ち着いていた心臓が早鐘を打ちはじめた。
一瞬で緊張はマックスまで達し、手が小刻みに震えだす。
どうしよう。すぐそこに八雲さんの車があるというのに、足がすくんで動けない。
しばらく立ったままじっとしていると、そんな私の様子に気づいたのか八雲さんが車から下りてきて心配そうな顔で近づいてきた。
「芳奈?」
私の名前を呼び腕を伸ばす。首元にするりと手を滑り込ませたと思ったら、そのまま身体を引き寄せられて八雲さんとの距離がぐっと縮まった。
「どうした? 顔色が悪いな」
「す、すみません。なんか急に緊張してしまって……」