強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
八雲さんがトイレに行ってくれてよかった。今そばに要られても、どんな態度を見せたらいいのか正直わからなかったから。

彼女も好きな人もいないとわかったのだから、そこのあたりのことは気にしなくてもいい。だからはじめからの計画通り、八雲さんの彼女として振る舞えばいいだけのこと。

八雲さんは仮の彼氏なんだから緊張する必要もなにもないのに、何かが胸の奥に引っかかる。それがなんなのか……。

脳をフル回転させて考えてみたところで、人間関係や男女のことなんて私にわかるはずもなくて。

恋人って、一体なんなんだろう──。

ゆっくり目を閉じ、八雲さんが戻って来るまで疲れ果てた脳と身体を休めせた。







< 92 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop