どんなきみもだいすき
みいは、そんな奏多の背中をずっと見ていたら――…
『…部屋、戻んないの?』
こっちを向かずにそう呟かれた。
『あ…行くっ』
みいは、奏多に追いつこうと階段を上がった。
『こけるなよ、あんた鈍臭いから』
そう言って手を差し延べてくる。
『…! ありがとう、お兄ちゃん』
そうニコッ―…っと、笑って奏多の手を取った。
お兄ちゃんはいつもさりげなく優しさを見せる。
不器用だけど、自分の意思はきちんと持っていて
ハッキリ自分の意見を言える――…
わたしとはまるで、正反対なんだ。