偽りのキス
清田くんが
近くの駅まで来てくれることになった
駅で清田くんを待った
ワンピース着てみたけど変じゃないかな…
「乙…」
顔を上げたら
清田くんじゃなかった
「蒼汰」
蒼汰の好きな女の人と一緒にいた
「どっか行くの?」
蒼汰に聞かれた
「うん…
待ち合わせ」
「そっか…気をつけてね…」
誰と?
とか気にならないよね…
「蒼ちゃん、先、行ってるね」
後ろから女の人が言った
綺麗な人…
年上かな?
「あー、うん、オレも行く…
…
乙、寒そう…
寒くない?」
そんなこと
心配してくれなくて、いいのに…
「うん、外に出たら思ったより寒かった」
蒼汰は自分がしてたマフラーを
私に掛けてくれた
「ありがとう…」
「じゃあ…」
蒼汰は手を振って改札を抜けて行った
行っちゃった…
蒼汰、なんで優しくしてくれるの?
マフラーから蒼汰の匂いがした
今日も私は蒼汰が好きだよ…