偽りのキス

通学の時、乙が言った



「清田くんと最近一緒に帰ってるんだ…」



「あー、うん、律から聞いた」





「私が、清田くんと、付き合っても
蒼汰、嫌じゃない?」

乙に聞かれた




胸がズキって、またなった…




「好きなの?律のこと…」


オレには
嫌だって言う権利ない




「わかんない…
好きじゃなくても…キスできるもん…」



そう言った乙が
急に愛おしく感じた



失う時に
急に惜しくなる
そんなことってある…




何も言えなかった


好きじゃなくても…キスできるもん…




胸に突き刺さった




ごめん…乙

許して…


乙を散々傷付けておいて
何言ってんの?オレ





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