偽りのキス

「…ごめん、こんな時に…
でも、なんか、したくなった…」



久しぶりに蒼汰に求められた



あの人の代わりかも知れないけど
嬉しいなって思う自分がいた



あの人の代わりにならなきゃ
私は蒼汰から求められない



それでも、よかった

それでも、好きだった




「ごめん、オレ、帰るわ…」


蒼汰が立ち上がった




「いいよ…
キスしても、いいよ…」



私は目を閉じた





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