たとえばあなたのその目やその手とか~不釣り合すぎる恋の行方~
四年前、今勤めている【GO!GO!出版】に就職した。

この出版社で毎月発刊される、働く女性を応援する雑誌『JOB♡JHOSHI』は当時就職している友達からも評判がよく、中堅出版社ながら大手と引けを取らない売り上げを誇っていた。

内容も充実していて、女性が喜びそうなおしゃれやカフェ情報もさることながら、女性が働くために必要な知識やこれからの経済動向が理解しやすくまとめられている。その中でも心惹かれたのは、毎号掲載される様々な職種の経営者トップ達から働く女性に向けたメッセージだ。

その経営者トップといえば、有名な企業からあまり名の知れない中小企業、はたまた伝統文化・職人系、外資系と多岐に富んでいて、その大小関わらずトップ達の自分の仕事や社員への並々ならぬ愛情と誇り、そして働く女性へのエールは読んでいて胸を打たれるものがあった。

男であろうと女であろうと関係なく、一人の人間として必死に仕事に向き合っていくことの大切さ……読み終えた後、決して押し付けではなくストンと自分の中に入ってきた。

それと同時に、私の中に電気が走ったかのようにフィンランドで感じた使命感がリンクする。

ここで、働きたい……。

頑張る女性達にターゲットを絞ったこの雑誌編集に、なんとしても携わりたいという思いだけでこの出版社を受け、一年遅れの就職活動だったにも関わらず私はまさかの内定をもらうことができたのだった。

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