俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「綾花は本当に色が白いな。血管まで透き通って見える」

 長い指が、私の手首の細さを楽しむようになぞる。

「乱暴に力を込めたら、壊してしまいそうだ」

 言いながら、その手を着物の袂の中へ忍び込ませる。

「着物って着ている姿は清楚なのに、すぐに手を入れられるようにできているのは、誘っているみたいだよな」

 ひじの内側や二の腕をそっとなでられ、背筋がぴくんと跳ねた。

 腕に触れられるのはふつうのことなのに、袂の中の見えない場所でなぞられると、いけないことをされている気分になる。

「ん……っ」

 勝手に口から吐息が漏れる。
 貴士さんに触れられると、なぜか体の中心がとろけてしまいそうになる。

「た、貴士さん……っ」

 どうしていいのかわからなくて名前を呼ぶと、背後でふっと息を吐いて笑う気配がした。

「少しずつ、俺に慣れるレッスンをしようか」
「レッスン?」
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