俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「斗真くん。なにか忘れ物ですか?」
「綾花先生。こんな古くて広い家でひとりぼっちで暮らしてるなんて寂しいだろ」

 斗真くんの言葉に、私は首をかしげ目をまたたかせる。
 私がぼんやりと祖父の書を眺めていたから、寂し気に見えたのだろうか。

「心配してくれてありがとうございます。私は大人だから、ひとりでも大丈夫ですよ」
「そうやって強がらなくていいって。安心しろよ。俺が大人になったら、綾花先生を嫁にもらってやるから」

 恋愛経験ゼロの私が、十三歳も年下の男の子からプロポーズされるとは思わなかった。
 最近の子は大人びているなぁと感心してしまう。

「あ、綾花先生、馬鹿にしてるだろ! 俺は本気だからな!」
「でも、斗真くんが大人になったころには、先生はもっと大人になっていますから」
「それでも結婚するんだ!」

 無邪気で純粋なまっすぐさが微笑ましい。
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