俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 真っ赤になった私を見て、貴士さんは意地悪な笑みを浮かべた。

 その後、なんとか無事に食事を終え食器を片付ける。
 すると貴士さんのスマホが震えた。

 誰かから連絡が来たようだ。
 何度かメッセージのやりとりをしたあと、私に声をかける。

「急で悪いけど、今日の夜から一度東京に戻ることになった」
「お仕事ですか?」
「あぁ。二泊して明後日帰ってくる」
「そうですか」

 つぶやいた私の顔を、貴士さんがのぞきこんだ。

「さみしいか?」と問われ、「まさか」と冷静に返す。

「ずっとこの家でひとり暮らしをしていたので、さみしいわけがないです」

 貴士さんの姿を見るたびにドキドキしなくてすむから、安心できるくらいだ。

「むしろ貴士さんがいないほうが、のんびりできてうれしいです」

 素直にそう言うと、貴士さんに睨まれてしまった。








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