俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

　あんなに素敵だったら、すれ違う女性全員が恋に落ちちゃうじゃない。と心の中で文句を言いながら、キッチンに戻り朝食の準備を再開する。

　昨夜はひさしぶりにひとりで夕食を食べた。
　最近はずっと貴士さんと一緒に食事をしていたせいか少しさみしく感じた。

　そして『いただきます』や『ごちそうさま』『おやすみ』とあいさつをする相手がいないのに気付いて、自分はひとりきりなんだと強く実感してしまった。

　貴士さんと暮らし始めてたった二週間なのに、すっかり彼がいる生活に慣れている自分に驚く。

「こんなんじゃ、だめだ」とつぶやいて手元を見下ろすと、そこにはふたりぶんの食事があった。

　無意識に貴士さんの朝食まで用意していたことに気付いた私は、大きくため息をついた。
　




　

　子供たち向けの書道教室を終え部屋の掃除をしていると、キンコーンとレトロな音が響いた。