俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 我が家の玄関にはインターホンやモニターはついていない。
 あるのは押せば音がなる、昔ながらの呼び鈴だけだ。

 誰だろう、と思いながら玄関に向かい引き戸を開ける。

「こんにちは」

 そう言って笑うのは、町役場で働く中村さんだ。

「中村さん、どうされたんですか?」
「今日は綾花さんにお願いがあって来ました」

 中村さんはバッグからA4サイズの封筒を取り出す。
 受け取り中を見ると、数枚の書類が入っていた。

「今、役場の産業振興課と農協とで協力して、町の特産品のパッケージのデザインを統一してブランド化しようと計画しているんです」
「へぇ、素敵ですね」

 相槌をうちながら書類を眺める。

「そのパッケージに入れるロゴを綾花さんに書いていただけないかと思いまして」

 中村さんの予想外の言葉に、書類をめくる手が止まった。

「私がロゴを?」
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