俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「俺が留守の間に綾花に会いに来るなんて、気に入らない」
「お仕事の話をしに来たんですよ。せっかくなので、イチゴ食べましょう?」

 貴士さんがどうして怒っているのかわからないけれど、一応そう説明しながらイチゴをひと粒つまみ上げ口に運んだ。

 中村さんの実家で作ったというイチゴは少し小粒で、実がぎっちりと詰まっていておいしかった。
 思わず頬が緩む。

「甘酸っぱくて美味しい」
「綾花はイチゴが好きなのか?」

 不満顔の貴士さんにたずねられ、「果物の中では一番好きです」とうなずく。

「じゃあ俺は、町中のイチゴを買い占めて綾花にプレゼントする」
「何言ってるんですか。そんなの食べきれませんよ」

 困惑しながら言うと、貴士さんはこちらに身を乗り出してきた。
 和テーブルをはさんで座る私を、端整な顔でじっと見つめる。

 なんだろうと思っていると、「食べさせてくれ」と言われ跳び上がった。
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