俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「キスしたい」

 そう言われ、動揺を隠しきれずに跳び上がった。

「キ、キスって……!」
「だめか?」

 ねだるような視線が甘すぎて、心臓が止まりそうだ。

「だめというわけじゃないですけど……っ」
「おいで」

 彼の言葉に逆らえなくて、おずおずと移動する。
 素直に近づいた私に貴士さんは小さく微笑み、長い指で頬をなでた。

 その手はそのまま後頭部に回り、私の顔を引き寄せる。

 唇を押し当て、焦らすように離す。
 ゆるやかに体温を交じり合わせるように、触れて、優しく食んで、舐めて。
 じわじわとキスの密度が濃くなっていく。

 唇の間を割って、舌が入ってきた。
 私が背筋を固くすると、貴士さんはキスをしたまま目元を緩めた。

 あやすように口内を舌でなぞりながら、後頭部を包んでいた手が私の髪をなでる。

 甘やかされているのがわかって、体が熱くなっていく。
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