俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

　誰とでもすぐ友達になれる活発で明るい姉に対し、私は人と話すのが苦手な内向的な性格だった。

　顔立ちは似ているけれど、ゆるく波打つ明るい色の髪を肩のあたりで切りそろえた姉と、クセのない黒髪を長く伸ばしている私。
　人に与える印象はまるで違う。

　大人たちから『渚沙ちゃんは愛嬌があってかわいくて、綾花ちゃんはおしとやかでお人形さんみたいね』と言われるたびに、自分には人としての魅力がないんだと落ち込み、ますます殻に閉じこもった。

　天真爛漫な性格で人から好かれる姉のようになりたいけれど、決してなれない。劣等感はどんどん強くなっていった。


　ある日、勉強中のふたりが気になって廊下を歩いていた私は、姉の部屋のドアがわずかに開いているのに気が付いた。

　思わずその隙間をのぞくと、ローテーブルに頬杖をつく貴士さんと目が合った。
　私の視線に気付いた彼は、少し意地悪な笑みを浮かべる。