俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 過疎化や後継者不足、商店街の衰退。町が抱える問題を打開するには、地元の産業を活性化させるしかないと、特産品をブランド化して全国に売り出す計画を熱く説明される。

 話を聞くうちに、やってみたいという思いが強くなってきた。

 私の書が少しでも町のみなさんのお役にたてるなら、チャレンジしてみたい。

 自室で書の練習をして、子供たちに書道を教えて、部屋を掃除し庭の手入れをする。
 二年間そんな日々を繰り返してきたけれど、この狭い世界から一歩踏み出してみたいと思った。

 そう考えるようになったのは、貴士さんの影響かもしれない。

「私でよければ、よろこんでお受けします」

 そう言うと、関係者の皆さんは拍手をしてくれた。
 詳しい納期や料金など具体的な話を終え、「よろしくお願いいたします」と頭を下げる。

 私が会議室を出ようとすると、中村さんが立ち上がり一緒に廊下についてきた。

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