俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

「綾花さん。玄関まで送りします」
「あ、わざわざありがとうございます」
「少しふたりで話したかったので」

　そう言われ、ふたりで並んで廊下を歩く。

「会議、緊張しました？」
「最初は緊張していたんですけど、みなさん優しくて安心しました」
「よかった。実は職員たちも緊張していたんですよ」

　そう言われ、首をかしげる。

「綾花さんが入ってきたとたん、職員みんな『こんな美人の先生が来るなんて聞いてないぞ』って慌ててそわそわし始めたの、気付きませんでした？」
「まさか」

　目を丸くする私を見て、中村さんはくすりと笑った。

「みんな綾花さんに見とれていて、なんだか自分まで誇らしかったです。『知り合いにとても素敵な書道の先生がいるんだ』って紹介したのは僕なので」
「中村さんの推薦だったんですね。ありがとうございます」

　お礼を言うと、中村さんは笑顔で首を横に振る。