俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「中村さんはきっと、私が頼りないので気にかけてくれているだけで……」

 そう言いかけると、貴士さんの手がこちらにのびてきた。
 肩をシートに押し付けられ、身動きが取れなくなる。

 驚いて見開いた視界には、険しい表情でこちらを見下ろす貴士さん。
 その男の色気に、背筋がぞくりとうずいた。

「綾花は、無防備すぎる」
「そんなこと……」
「自分が誰のものなのか、きちんと自覚しろ」

 低い声で鼓膜を震わせると同時に、唇が重なった。
 噛みつくような乱暴なキスに、一瞬息が止まる。

 苦しくて唇を開くと、貴士さんの舌が入ってくる。

 柔らかい舌先で歯列や上あごをなぞられる。
 そのたびに快感が込み上げてきて、腰がぴくんと跳ねる。

「た、たかしさん……。車の中……っ」

 私はなんとか理性を奮い立たせ、キスの合間に必死にそう言う。

 駐車場に停めた車の中でこんなキスをするなんて。
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