俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
「楽しいよ。なんなら髪だけじゃなく、体中すみずみまで洗ってやろうか」
「結構です!」

 慌てて首を横に振ると、頭上でくすくすと笑い声がした。

 貴士さんはシャンプーを手に取り泡立てる。
 優しくマッサージするように触れる長い指が気持ちよくて、自然と吐息がもれた。

 トリートメントを丁寧にもみこみ、お湯で流してくれる。
 ようやく終わったとほっとすると、長い指が今度は私の肩にふれた。

「それにしても、細い首だな」

 貴士さんが肩から首へと指をすべらせながら、しみじみとつぶやく。

 うつむいているけれど、お湯から出ているうなじや肩は見られている。
 そう気付いて、緊張と恥ずかしさで体が熱くなった。

「白くて華奢で綺麗で、陶器でできた美術品みたいだ」

 貴士さんはつぶやきながら、私の肩に触れた指にぐっと力を込めた。

「あ……」と思わず吐息がもれる。

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