俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

　彼が出ていき、ひとりきりでこの家にいる自分を想像するだけでさみしくなる。
　もとの暮らしに戻るだけなんだと自分に言い聞かせても、胸の痛みは強くなる一方だった。

　その日も私は自室にこもり和机に向かっていた。
　仕事をひと段落させて部屋を出ると、居間の縁側に腰かける貴士さんを見つけた。

　私の足音に気付いた彼がこちらをふりかえる。
　そして口元に人差し指を当て「しー」と微笑んだ。

　どうしたんだろう。

　首を傾げた私は、彼の膝の上にもふもふの生き物がいるのに気づいた。

　え、シマノさんが、貴士さんの膝の上で寝ている……！

　衝撃で目を見開くと、彼はくすくす笑いながら手招きをした。

　足音を忍ばせそっと近づく。
　シマノさんは安心しきっているのか、貴士さんの膝の上でごろりとお腹を見せて転がっていた。

　かわいい……っ！

　感激した私は、心の中で叫び声を上げる。