俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

『綾花？』
『貴士さんが好きです。ずっと想い続けてきたんです。だから、お姉ちゃんと結婚しないで……』
『渚沙とじゃなく、自分と結婚してほしいって意味か？』

　貴士さんにたずねられ、自分の身勝手さを実感する。
　まるで駄々をこねる子供みたいだ。

　そんな自分が恥ずかしくなって毛布を引き上げ顔を隠すと、頭上でくすりと笑う声がした。

『いいよ。結婚しよう』

　わがまますぎる願いにだって、夢の中の貴士さんは簡単に了解してくれる。

『きちんと周りを説得するから、その間待てるか？』

　貴士さんと結婚できるなら、何年だって待てる。
　顔を隠したまま何度も首を縦に振ると、大きな手が伸びてきて頭をなでてくれた。

　そしてかぶっていた毛布をそっとめくり、真っ赤な顔をした私をのぞきこむ。

『結婚を認めてもらったら、綾花を迎え来る。だから俺を待ってる間、ほかの男のものになるなよ』