俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 そう言うと、貴士さんは身をかがめた。
 唇に温かいものが触れて、キスをされているんだと気づく。

 貴士さんが私にキスしてくれるなんて、夢みたいだ。
 そう思ってから、これは夢だったと思い出す。

 戸惑う私に付け込むように、貴士さんは角度を変えて唇を軽く合わせる。

『ん……』

 思わず吐息がもれると、至近距離で貴士さんが微笑む気配がした。
 わずかに開いた私の唇の内側を、柔らかい舌がそっとなぞる。

 どうしよう。なんだか耳のうしろがぞくぞくして、体が熱くなる。

 生まれてから十八年間、一度もキスの経験はなかったのに。
 とてもリアルな感触に驚きながらも、気持ちよくてずっとキスをしていたくなる。

 無意識に手を伸ばしたくましい肩にすがると、貴士さんがキスをほどいた。

 私はゆっくりと目を開く。
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