俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 二年間ずっとひとりで暮らしてきて、孤独にはなれているつもりだった。
 だけど本当はずっとさみしかった。
 貴士さんの温かさを知ってしまったら、あの生活には戻れない。
 貴士さんのいない未来なんて、もう想像もできない。

 こんなにも欲張りになっていた自分に気付き、涙をぬぐいながらかけよる。

「本当に、無事でよかったぁ……っ」

 貴士さんの肩にしがみついて泣き崩れると、彼は状況もわからぬままきつく抱きしめてくれた。








「そうか、事故のニュースを聞いて」

 私が落ち着いてから話を聞いた貴士さんはスマホでニュースを確認し納得したようにつぶやいた。

 貴士さんは事故に巻き込まれることなく、会社で仕事をしていたそうだ。
 スマホがつながらなかったのは、昨夜は慌ただしくて充電するのを忘れていたからだと聞いて、体から力が抜けた。

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