俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

　するどい視線を向けられているのに、米沢さんは全く気にせず話し続ける。

「社長は緑が多く環境のいい場所にある新築の低層マンションを買ったんですよ。近くには教育施設も多くあって子育てにもぴったりの場所だって。しかも、将来子どもが生まれてもいいようにと、一番大きな４LDKを選んだんです」
「子育てって……」

　あまりに気の早い話をされ、目が回りそうになる。

「もう家具や家電もしっかりそろえてありますから、綾花さんは身ひとつで来ていただいて大丈夫です」

　驚きながら隣を見ると、貴士さんはソファのひじ掛けに頬杖をついてものすごい仏頂面をしていた。
　けれどその耳はわずかに赤くなっていて、動揺が伝わってくる。

「私のために、準備してくれていたんですか？」

　私の質問に、貴士さんは黙り込む。