俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 貴士さんは反論を諦めたのか、こめかみをおさえながら大きなため息をついた。そして、私を横目でにらむ。

「ひとりで浮かれていて情けないと思っているんだろ」

 そう言われ、「まさか」と首を横に振った。

「すごくうれしいです。そこまで準備していたのに、祖父の家で暮らしたいという私の気持ちを優先してくれたんですね」
「綾花の願いなら、なんだって叶えるよ」

 その言葉に、彼の愛の大きさを感じて胸が苦しくなった。
 彼の行動ひとつひとつから、本当に私を大切にしてくれているのが伝わってくる。

「……私の願いは貴士さんのそばにいることです」

 そう言うと、貴士さんは優しい視線を私に向けた。
 じわじわと頬が熱くなっていくのを感じながら「私の願い、かなえてくれますか?」とたずねる。

「当たり前だろ」

 貴士さんが柔らかく微笑み、私を抱き寄せようとしたとき。

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