俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 祖父は書家らしく、いつも和装で過ごしていた。

 私も祖父を見習いたかったけれど毎日和装だと大変なので、せめて週一、二回くらいはと、土日曜は着物を着るようにしていた。

「着物姿の先生、すげぇかわいい!」

 和装が珍しいんだろうなと思いながら「ありがとうございます」とお礼を言う。

「それで、斗真くん。今日はどうしたんですか?」
「昨日は話している途中で電話がきちゃったから、あらためてちゃんとプロポーズしにきた」

 顔を輝かせる斗真くんに、私は首をかしげた。

「プロポーズ?」
「きのう俺が家で『将来、綾花先生と結婚するんだ』って言ったら、父ちゃん『あんなべっぴんな嫁さんなら大歓迎だ』っておおよろこびしてたよ」
「ええと……」
「母ちゃんも、『綾花先生は華奢だから、うちに嫁にきたらおいしいものたくさん食べさせてたっぷり肥やしてあげなきゃ』ってはりきってた」

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