俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

　座椅子に座りパソコンをいじっていた貴士さんは、顔を上げて笑みを浮かべた。

「あぁ。ネットが無事つながったから、仕事も会議もできるし大丈夫」
「会議も？」

　貴士さんは、首をかしげる私に「おいで」と手招きする。

　和机の向こうに座る彼の方に移動して、パソコンをのぞいた。
　画面には眼鏡をかけた几帳面そうな男の人が映っていた。

　ぱちぱちとまばたきすると、画面の中の男性に『はじめまして』とあいさつされて驚く。

「あ、もしかしてこれ、テレビ電話というやつですか？」

　思わず目を丸くして貴士さんにたずねると、画面の中から笑い声がした。

『今どき、テレビ電話って。ずいぶんレトロな言い方ですね』
「す、すみません。世間知らずで」

　スマホは持っているもののほぼ使っていないし、自宅の電話はいまだにアナログな黒電話だ。
　ネットやパソコンなどの最新技術とは縁遠い生活をしている。