俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 俺はくすくす笑いながら、視線を綾花から猫へと向ける。

「お前、シマノさんっていうのか。かわいいな」

 喉元をなでながら、野良猫のシマノさんに顔をよせ話しかける。
 シマノさんは気持ちよさそうにのどをのばし、うっとりと目をほそめていた。

「きっと、シマノさんは女の子で面食いなんですよ」
「面食い?」
「だから、かっこいい貴士さんには簡単に懐いて、私には触らせてくれないんです」
「ふーん。ってことは、綾花は俺をかっこいいと思ってくれてるんだ?」

 イジワルに口端を引き上げてそう言うと、自分の発言を自覚した綾花が慌てだす。

「違います、今のは言葉のあやで……っ!」

 慌てたようにかぶりを振るけれど、白い頬はみるみる赤くなっていった。
 必死にごまかそうとしているのに、まったく動揺を隠しきれていない。

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