俺様社長と<期間限定>婚前同居～極上御曹司から溺愛を頂戴しました～

「彼は将来いい男になると思うよ」

　貴士さんは生徒たちの視線が自分に集まると、目元を緩め穏やかに微笑む。

「好きな相手にまっすぐに自分の想いを伝えられる男は、きっといい男に成長する」

　そう言い切ってから、色っぽい流し目を私に向けて「まぁ、綾花は渡さないけどな」と付け加えた。

　その瞬間「きゃー！」と黄色い悲鳴が上がる。
　同時に私の心臓も、壊れそうなくらい激しく飛び跳ねた。

　斗真くんは唇をとがらせ「ぜったいお前よりいい男になってやる！」と対抗心をむき出しにしたけれど、貴士さんは余裕たっぷりに微笑んでいた。





　翌日の土曜日。

　朝食の片づけを終えた私は、部屋着から淡い黄色の着物に着替えて部屋から出る。

　すると、居間で新聞を読んでいた貴士さんが驚いたようにこちらを見た。
　そしてそのまま動かなくなってしまった。