Last note〜バタフライ編
ただ、肝心のあげはちゃんは不安げだったが、旅行気分ではしゃぐ矢崎さんを見て、怖い事ではないと分かったらしい。


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翌朝、天気良好。行きの船の中。

あげはは、発見当時のあの白いワンピースを着て、青山の隣で一緒に海を眺めていた。

船の軌跡を、波が駆け抜けていく…。

風で麦わら帽子が飛んでいかないように、頭を手で抑えていたあげはが、
綺麗な声で言った。

あげは「……青山、さん。」

青山「うん?」

あげは「……私の為に、色々、ありがとう…です。」

青山「ん、一緒に真実を見つけよう。」


"一緒に…"

その言葉が、あげはの支えになっていた。

独りじゃ…ないんだ……。


込み上げる嬉しさ。
照れくさくて、帽子を少し深く被ったが、
緩む頬は、自然と笑みが零れた。

あげは「………はい!」

海は、キラキラと輝いていた。

朝日はまだ、登ったばかり…。

これから、何が起こるかなんて、わからないけれど…

今はただ、ひたすらに進むしかないんだ……。


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