Last note〜バタフライ編
青山「お、中でバーベキューしてる。」

あげは「楽しそう…」

1軒、…4軒目を見た頃、山登りコースと散策コースが出てきた。

烏丸「どーすん?青山、なんか匂わねーの?」

青山「今のとこないな。」

青山の手を引き、あげはは散策コースの看板の前に止まった。

見つめていると、4軒目の別荘から出てきた中年男性が声をかけてきた。

男性「君たち!旅行者かな?」

矢崎「あっ、はい。」

男性「散策コースの先は、先月事件があったからオススメはしないよ。港でも言われなかったかい?」

青山「そうですが…えっと、貴方は?」

田辺「私はそこの別荘の持ち主で、田辺といいます。」

指を指した先には、ここら辺では1番立派そうな別荘だ。屋敷に近い。

烏丸「下からずっと歩いて来たんすけど、画家の人の別荘とか知らないっすか?」

田辺「画家?…あぁ!来る途中、川があったでしょう?あの向こう側にも何軒かあるんだ。…確か。」

青山「……。」
(あげはが止まった場所だ。)

烏丸「…そっすか!ありがとうございます!」

青山「ちなみに田辺さんはいつからここに?」

田辺「私は8月に入ってからだから…もう来て1週間は経ちますねぇ。」

青山「そうですか…ありがとうございました。」

田辺さんは、また下っていく4人を見送った。

あげは「……?」ピク。

あげはは、田辺さんの別荘の窓から覗く人影に気づき見上げた。

だが、その影はすぐに消えた。
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