(短編)初恋オムライス
「うわっ、ストップ。やめて。恥ずかしいから。くるみちゃんて結構天然だな」


彼は焦ったように両手で私の肩に触れて、目が合うとすぐに離れた。


そしてちょっと顔を赤らめて恥ずかしそうに目線をそらしてしまう。


でも全部ほんとのことだもん。
助けてくれるからとか、お世辞とかそんなんじゃなくて、普段からずっとそう思ってた。


「じゃ、じゃああと少しだから引き続き頑張って」


「うん」


あれ、あっくんが照れてる。可愛い。


そう思いながら、さっきとは別のテーブルの方へと歩いていく彼の背中をじっと見ていた。


凛とした背中になぜだか釘付けになりそうになって、慌ててテーブルの片付けをしにいくために踵を返した。


いけない。最近気を緩めると、つい彼に見とれてしまう。


さ、お仕事、お仕事。
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