ロンド ~壮馬

《ナッちゃん 俺を信じて。俺、本気だから》


壮馬の言葉に 夏美の目から 涙が溢れてしまう。
 

《ありがとう。でも 本当に 私でいいの》


夏美は クッションを抱きしめて 壮馬への メッセージを打つ。
 


《俺は ナッちゃんが いいの》


《ナッちゃんは これから 俺のこと ちゃんと見て。ナッちゃんが 俺を 好きになるように 頑張るからね》


壮馬の言葉に 夏美は 一人 号泣してしまう。
 


《ありがとう。ありがた過ぎて 涙が止まらない》


しゃくり上げながら 返信する夏美。
 

《一人で泣かないでね。寂しくなるから》


壮馬は優しい。


《うん。明日も 会えるから大丈夫》

たった一日で 自分が 変わってしまったことに 夏美は戸惑っていた。


でも 夏美の中には、壮馬への好意が ずっとあった。

それを 恋と意識しないまま。


だから 思いを告げられて、夏美の心は 熱くときめいた。
 


壮馬と 明日の時間を確認して おやすみを言う。



“ おやすみ ” が こんなに甘いことを 夏美は初めて知った。
 
 
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