エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「……助けてくれて、ありがとうございます」

「……俺がいたのに怪我させたなんて、いきなり面目丸潰れじゃないか。ふざけるな」

せっかく素直にお礼を言ったのに、自己中心的なセリフで返されて、ムッとする。

だから嫌いなのだ。この須皇透佳という男は。

小さい頃からそうだった。とんでもなく外面がいいために、周囲の大人は誰も彼も騙されているが、本当はとっても底意地の悪いいじめっ子。

私に対する態度は特に最悪。私のことを下僕か何かだと思っていたに違いない。

ドレスを着れば可愛くないとあしらわれ、

ピアノを弾けばへたくそと罵られ、

勉強を見せればバーカと笑われ、

ニンジンを残せばガキとからかわれ、

終いには『ブス』『アホ』『チビ』の羅列。

地味に傷ついたのは、誕生日の日、ひまわりの花束を抱えて大喜びする私に対して「お前にはひまわりなんて似合わない」と言われたこと。

本当に、嫌な記憶しかない男である。

そのスタイルや外見のよさ、米国帰りのエリート医師、大病院の息子というスペックを差し引いても、私の中では結婚したくない男ナンバー1という不動の地位を築いている。
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