エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「どういうことだ……!」

素直に驚愕の声をあげたのは教授のほうだった。鬼のような形相で美沙さんを睨みつける。

「美沙! 須皇先生との子どもではなかったのか!」

「ごめんなさい……お父さん」

美沙さんは体をガタガタと震わせて答える。

「私、失敗したんです。パーティーのあと、須皇先生とふたりきりになろうとしたけれど、なれなくて……それに、飲み物に睡眠薬を入れて眠らせるだなんて、私にはとてもできなくて……」

ぎょっとして私と透佳くんは顔を見合わせる。

一体何を言っているのだろう、飲み物に睡眠薬を入れるだなんて犯罪だ。

なぜそんなことをしなければならなかったのだろう。

「パーティーとは……三か月ほど前、学会のあとに行われたパーティーのことか? 確か美沙は泥酔して、俺ともうひとりの医師の付き添いのもと、ホテルの部屋に移動したな」

こくん、と美沙さんは頷く。瞳から涙をほろほろとこぼし、嗚咽交じりに告白した。

「その日、父からは、なんとしてでも須皇先生を寝取ってこいと言われたんです。ダメなら、睡眠薬で眠らせて、酒で記憶を失くしたように見せかけろって。その間に襲われたと言い張れば、あとはどうとでも責任を取ってもらえるからと」
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