エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「なぜ俺に相談しなかったんだ」

ふたりきりになった途端、透佳くんは不満を爆発させた。彼の車に乗り込み、マンションへ向かって走らせる。

「その……デリケートな話題でしたし、私の口からは……」

あなたと元カノの間に子どもができましたなんて、私の口から言えるわけがない。

けれど、透佳くんは腑に落ちないようで「ひと言確認してくれれば、済む話だったのに」とまだぶつぶつ漏らしている。

「でも、透佳くんが嘘と見破ってくれたので、嬉しかったです」

沢渡先生と浮気した、そんな嘘を彼はすぐに見抜いてくれた。私のことを信頼してくれていた証しだ。

しかし、彼はハンドルを握ったまま鬱々としている。

「その嘘をつくために、沢渡に唇まで捧げたんだろう」

カチンと凍りつく。やっぱり見られてたんだ、私と沢渡先生がキスするところ……!

「あの、あれは、決して自ら進んでしたものではなく――」

「わかってる。あのあと、彩葉が盛大に嫌がっていたから」

それもわかってくれていたみたい。ホッと胸を撫でおろす。
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