エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「……彩葉。そろそろいくぞ。お前の両親が待っている」

端的に告げ、背中を向ける彼。

その背中は、ここに来た時と同じ憎らしい背中。

なのに、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、カッコよく見えるのはどうしてだろう。

気がつけばさっきまで私を支配していた婚約への嫌悪感が取り払われていた。

代わりに残されたのは――彼への純粋な好奇心。

火照った身体と高鳴る鼓動は、彼を知りたいと言っている。

きゅっと唇をかみしめて彼のあとを追いかける。

どうかリップが落ちてしまった理由を両親に聞かれませんように、そう願い、彼のあとについていった。
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