エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
両親のもとに戻った私は、なおも自分の心境の変化に驚いていた。

以前よりも透佳くんと冷静に向き合える自分がいる。

距離が近づいたことで、恐怖心が取り払われたのだろうか。

両親の隣で食後のコーヒーをいただきながら、正面に座る彼をじっくりと観察した。

姿勢がよくて、凛としていて、顔は二十代と言われても違和感がないのに、その落ち着いた様子は完全に三十代、それも後半の貫禄だ。本人はまだ三十二歳だったはずだが。

ブラウンのクラシックなスーツが彼の雰囲気と異様にマッチしている。紳士という言葉がよく似合う。

まじまじと見ると、とんでもなく端正な顔。

昔から綺麗な顔をしているなぁとは思っていたが、中性的だった子どもの頃に比べて、今は男味が増して精悍になったように見える。

この人と、本当に結婚するの?

その点に関してはやはり現実味がなくて、夢を見ているようだ。

歓談していると、お店の入口のほうから、スラッと背の高い男性がこちらに向かって歩いてきた。

高級そうなスーツ、ロマンスグレーの髪、透佳くんとどこか似た顔立ち。
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