エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「専属ドクターもいるからね」

「そうか。プロがそばにいてくれるから安心だな」

私と父の会話に、母が横から首を突っ込む。

「そういえば、小さい頃も透佳くんが看病してくれたこと、あったわね」

「小さい頃?」

いつのことを言っているのだろう。看病された覚えなんてないけれど。

首を傾げていると、母は「忘れちゃったの!?」と驚いた顔で私を覗き込んだ。

「小学一年生のとき、風邪をこじらせて肺炎になって須皇総合病院に入院したの、覚えてない?」

「……そういえば、そんなこともあったっけ」

入院したという事実はぼんやりと覚えている。しかし、その当時のことはほとんど記憶にない。

夜、お見舞いに来ていた両親が帰り、ひとり病院でお泊りしなければならなくて、心細かったことだけはハッキリと覚えている。

「四十度の熱を出しているときに、透佳くんがお見舞いに来てくれたのよ。ひまわりの花を持ってね」

「ひまわり……?」

トクンと鼓動が震えた。何か大事なことを忘れている気がして。
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