エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
お父さまは透佳くんの隣に腰を据えると、斜め前にいる私を感慨深く眺めた。

「彩葉ちゃんか。ずいぶん綺麗になったなぁ」

「ありがとうございます。お久しぶりです」

私は小さく会釈して、皆に習い腰を下ろす。

私をまじまじと観察する透佳くんのお父さま。やがて、ひらめいたかのようにポンと手を打った。

「もしかして、その振り袖、透佳がプレゼントしたってヤツか? なるほど、素敵じゃないか」

え? と私は目を丸くする。

これは母に買ってもらった振り袖。何かと勘違いしているのだろうか。

しかし、次の瞬間、母の口から出た言葉は驚愕の真実。

「そうなのよ。本当にありがとうね。わざわざ成人のお祝いを贈ってくれるだなんて」

頭が真っ白になる。この振り袖が、透佳くんからの贈り物?

母の言葉に透佳くんはかぶりを振る。

「いえ。突然贈りつけて申し訳ありませんでした。すでにアメリカへ行ったあとだったので、ろくな挨拶もできずに」

待って、と心の中で声をあげる。この振り袖は、母が成人式のために探してきてくれたんじゃなかったの? 
< 27 / 259 >

この作品をシェア

pagetop