エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
庭園での透佳くんの言葉が脳裏をよぎる。

――だったらどうして、その振り袖を着てきたんだ――

その質問の意味がやっとわかった。彼からもらったこの着物を着てこの場所に来るということは、結婚に賛同したも同義だからだ。

もしかしたら、この振り袖は、彼の結婚の意思表示だったのかもしれない。

『彩葉をもらいます』という横暴な手付金なのでは……。

それでも、彼が苦労して私の大好きなひまわり柄を探してくれたのは事実。

頭の中がいっそう混乱した。

――お前にはひまわりなんて似合わない――

彼の言葉と行動は矛盾している。

ふと顔を上げると、透佳くんがじっと私のことを見つめていた。

予期せず目があってしまい、ドキリとする。反対に、彼の目はふんわりと緩む。

「そういえば、直接感想を聞いたことはなかったな。その振り袖、気に入ってもらえたか? ひまわりは彩葉が好きな花だろう?」

――お前が好きな花だろう?――

いつかの言葉がフラッシュバックして、頭を掠める。

あの言葉はいつ、誰から言われたものだっけ? よく思い出せない。
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