エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
そっと、甘く、唇が重なり合う。

舌を差し入れながら角度を変え、ゆったりと口腔を撫で溶かす。

その仕草があまりに優しすぎて、抵抗する気力が削がれた。

私とのキスをたっぷり堪能したあと、唇がゆっくりと遠ざかっていく。

一瞬で気持ちが持っていかれた。ぼうっとした頭で彼を見つめる。

「……そんな顔をするなよ。真っ昼間から抱かれたいのか?」

彼のセリフに、頬の熱が急上昇した。ザッと目を伏せた私に、彼はくつくつと笑みを漏らす。

一体何を考えているのだろう。彼のことがわからない。

久しぶりに会ったかと思えば、突然の求婚。突然のキス。果ては、新居を購入したという。

事実ばかりが押し寄せてきて、気持ちが全然追いつかない。

彼は私のことを小バカにしていたんじゃなかったの……?

いつもからかって、いじめていたくせに。

そんな相手と結婚なんて、どういう心境なのだろう。恋愛感情なんてこれっぽっちもない相手とのキスは、楽しいのだろうか?

それとも、これもやっぱり、私をからかっているだけなの?
< 63 / 259 >

この作品をシェア

pagetop