エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
窓に近寄って、そっとガラスに手を触れる。

下に須皇総合病院の建物が見えた。ここからなら、呼び出されてもすぐにかけつけられるだろう。

すぐ脇に駅と線路も見える。お店がたくさん並んでいる大通りも。住むのに不便を感じることはなさそうだ。

「気に入ってくれたか?」

彼は、私の身体を包み込むように後ろに立った。 窓と彼に挟まれてドキリとする。

窓に置いていた手の上に、手を重ねられ、彼の体温がじわりと伝わってくる。

「あ……の……丸見えだし……」

緊張を隠すように言い訳する。

なにしろ、壁二面分を覆いつくす巨大なガラス窓だ。もし外に人が立っていれば、私たちが寄り添う姿は丸見えである。

人がいれば、の話だが。

「周辺に同じ高さの建物はない。見ればわかるだろ」

そう言って、彼は私の腰に手を回す。驚いて後ろを振り向けば、すかさず彼は私の顎を押し上げ、顔を近づけた。
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