【女の事件】とし子の悲劇・3~翼をなくした白鳥
第7話
ところ変わって、ダンナが勤務している会社にて…

ダンナは、いつも通りに会社から与えられた仕事をこなして、お昼はお給料引きで注文したお弁当でお昼ごはんを食べていた。

この時、課長さんが来てお昼ごはんを食べながらあきとさんの今後の人生のことについて話し合いをしていた。

課長さんは、6月30日に仙台へ出張に行くようにダンナに命じていたが、代わりの人にお願いをしておいたからと言うて、親同士のお見合いのイベントをすすめた。

ダンナが乗り気でなかったので、課長さんは『オドレの表情はあきとさんの今後の人生を真剣に考えている表情じゃない!!』とどぎつい言葉で言うた。

ダンナは、親同士のお見合いのイベントの話を断った。

ダンナは、この日の夜も会社帰りに外でのんでいたが、事件を起こした。

事件の現場は、札幌東急インホテルの裏の通りにある居酒屋で発生した。

ダンナは、サッポロ黒ラベルの中ビンを3本頼んで、浴びるようにビールをのんでいた。

ダンナは、3本目のビールがなくなったので注文をしようと思っていた。

この時、ダンナはとなりの席の男性のビンビールに手をつけた。

ダンナのとなりに座っていた男性客は『何しやがるのだ!?』とダンナに怒鳴りつけた。

ダンナは、大ゲンカに巻き込まれた。

「何しやがるのだ!?」
「何だよぉ、オレが何をしたと言うのだよ?」
「ひとがのんでいるビールによくも手ぇつけたな!!」
「オレのビールがないのだよぉ…」
「なかったら注文しろ!!」

ブチキレを起こしたダンナは、となりの席の男性客に殴りかかって行ったあと、店内でドカバキの大ゲンカを起こした。

降り悪く、ダンナに怒鳴り付けてきた男性客はあきとさんがやめかけている工場の社長さんであった。

ダンナは、隠し持っていたサバイバルナイフで社長さんを切りつけた後、ひと思いに刺して殺した。

ダンナは、サバイバルナイフを握りしめて声を震わせながら言うた。

「思い知ったか!!オレに焚き付けて行ったから殺されたと言うことをおぼえておけ!!」

ダンナは、社長さんが持っていた小さなカバンを奪い取って、刃物をふりまわして店内で暴れたあと、その場から逃げ出した。

店に居合わせた客少なくとも20人がダンナが持っていたナイフで斬られた(きられた)。

うち、3人が死亡した。

そして、朝になった。

社長さんが亡くなった知らせを聞いた工場の従業員さんたちが暴徒化して、工場の中にある設備を金属バットで思い切り叩き壊したり、事務所の中にある金目の物を強奪するなどした。

暴徒化した従業員さんたちは工場だけではなく社長さんの自宅へも火を放って家の中にいた社長さんの家族を火の海に沈めた。

(ドカーン!!ドカーン!!ドカーン!!)

あきとさんがやめかけている工場は、暴徒化した従業員さんたちによって、こっぱみじんに砕けた。

その頃であった。

ところ変わって、豊平区水車町1丁目の家にて…

アタシは、あきとさんの部屋に行って朝だから起きなさいと言うて起こしに行った。

しかし、あきとさんはしんどそうな声で『ぼく休む…』と言うてまた寝た。

「あきとさん…8時過ぎているわよ…遅刻するわよ…」
「オレ…休む…」
「どうして休むのよ?」
「しんどい…」
「しんどいのは分かるけれど、がんばって工場に行かないと…」

アタシの言葉を聞いたあきとさんは、かけふとんをかぶったあとブチキレを起こした。

「ふざけんなよ!!何ががんばって工場に行けや!!何のために工場に行くんや!?」
「何のためって…お給料をかせぐために工場に行くのでしょ!!」
「ふざけるなよ!!何がお給料を稼ぐためだ!?お昼のお弁当代のために働いているとしか思えん!!」
「あきとさん!!あきとさんは自分でかせいだお給料でほしいものを買いたいとは思わないの!?自分でかせいだお給料でJリーグやプロ野球の試合を見に行きたいとは思わないの!?」

(バサッ!!)

いきなり起き上がったあきとさんは、右手にコブシを作ってアタシをイカクした。

「何やオドレは!!もういっぺん言ってみろ!!オドレはいつからえらくなったのだ!!」
「あきとさん!!あきとさんはどうしてわがままばかりを言うようになったのよ!!わがままばかりを言わずに、今日の分のお給料を稼いできなさい!!」

アタシは、あきとさんに『仕事に行く支度をして朝ごはんを食べなさい!!』ときつい口調で言うた後、部屋を出た。

アタシは、あきとさんをせかして強引に家から出したあと、玄関のカギをかけた。

その後、洗面所にある洗濯機でアタシの洗濯物を洗濯しよう思って、洗濯物を洗濯機に入れようとしていた。

そしたら…

アタシのインナーとブラジャーとショーツがどす黒く汚れていた。

他にも、アタシが着ていたブラウスも鋭利な刃物で切り裂かれていた。

それを見たアタシは、強烈な悲鳴をあげた。

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
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