【女の事件】とし子の悲劇・３～翼をなくした白鳥

第９話

2024年７月20日のことであった。

アタシとダンナの結婚生活は破綻したので、札幌市東区北７条にあるマンスリーマンションに移り住んだ。

バイトは、知人からの紹介で地下鉄北12条駅の近くにあるガソリンスタンドで働くことにした。

足りない分をおぎなうために、JRあいの里教育大駅前にあるファミマのバイトとかけもちで生活費を稼ぐことにした。

アタシは、札幌から出て本州へ逃げることを前提にダンナ、いえあきひろと別居生活を始めた。

アタシと離婚したあきひろは、会社を無断で欠勤をしたあげくに無気力になった。

あきとは、ひとりの力で生きて行くことができなくなったので、真駒内にある社会福祉法人の施設に入所してヘルパーさんのお世話になることにした。

その一方で、豊平区内にあるあきひろの家は、あきひろのアタシの前の前のお嫁さんのお父さまに建築費を出していたことが明らかになった。

アタシの前の前のお嫁さんの家は相当怒っていたので、深刻な問題を生んだ。

アタシは、あきひろとの間にわだかまりを抱えたまま離婚したので、アタシの乳房(むね)の奥の傷はなおも痛み続けていた。

2024年７月27日に、武方さんが血相を変えて弁護士さんと一緒に高松から札幌までやって来た。

今回の再婚は、ダンナの知人があきとの不満をやわらげるために再婚させたと言うことであった。

武方さんは、あきひろと知人の男性がグルになっていたと激怒して、億単位の慰謝料を請求する裁判を起こすと決意した。

アタシは、カネよりも何もせずに離婚をする方がいいと思っていたので『武方さんは何を考えているのかしらね…』としらけた気持ちになっていた。

その一方で、真駒内の社会福祉法人の施設に入所をしたあきとは、入所をしてから２日目に施設の中で『オレをここへ連れてきたのは誰や!?外へ出せ!!』と怒って暴れまわった上に上がる刃渡りの鋭いナイフでヘルパーさんをおどして暴れ回った。

職員さんは、あきとの不満を封じ込めるために同じ南区内にある10階建てマンションの２階のテナント部分にあるグループホームに移り住んだ。

仕事は、元いた施設の敷地内にあるワークセンターで働くことにした。

しかし、あきとの不満はやわらぐどころか反って不満が高まっていた。

事態は、収束するどころかさらに悪化へ向かっていた。