狂犬レトリバー
1章.ひとのこわしかた

1.

「………さむっっっ」

僕はやけに賑やかで、大袈裟に輝いている商店街を歩いていた。

まぁ、今日はクリスマスイブだから当たり前だろう。

廣政優樹、高2、クリスマスイブ、彼女なし。

認めたくないが、いわゆる僕は負け組だろう。

「別に女といなくたって」

と強がってみたものの、

いつも遊ぶメンバーの中で、僕だけが非リアだ。

言い逃れのできないクリぼっちだ。
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